第8章 〈サボ〉どうして冷たくするの?
「サボ、ご飯できたよ!」
1人の女の子が甲板で座って、本を読んでいた黒い帽子を被った男の子に声をかけた。
「あァ、ありがとう。先行っててよ。俺はこのページだけ読んで行く」
「……」
女の子はムッとした。それから、サボに近付いて無理矢理立たせた。
「うお!?」
「そんなこと言わないの! どのみち、あなたが来ないとみんなご飯食べないんだから。ほら、早く歩いて!」
「ま、待てよ、レイ。もう少しで終わるから!」
「サボのもう少しはもう少しじゃないからダメです!」
女の子はまだ駄々をこねているサボを力一杯押しながら、みんなが集う食堂に向かった。
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