第5章 〈ONE PIECE〉お前の夢の果て
ーー目の前で、血飛沫が上がった。カイドウの部下の刀が目の前の人物の体を貫く。
「キラー!!!!!」
長年一緒にいる相棒の名前を呼ぶ。ーーおれに向かっていた攻撃は、あいつがおれを蹴り飛ばしたことでキラーに当たった。おれはすぐに立ち上がって、あいつの元へ走った。
(いつも……いつも、そうだ)
ーーおれは、お前に守られてばかりいる。幼い頃の喧嘩の時も、海に溺れた時も、いつも……。
「キラー! キラー!!」
ファッファッファッと笑い続けているあいつのところに着くと、涙を流しておれの方を見た。
「……キッド……」
「キラー! 大丈夫か!? おい、誰か! 医者はいねェか!」
「お、おう!」
麦わらのところのトナカイが救急箱を持って駆け寄って来る。
「無駄だ……。もう、長くはもたない……」
「何言ってやがる! お前はこんなところでくたばるやつじゃねェだろ! 早くしろ!」
「キッド!」
焦って語気が荒くなるおれに向かって、キラーはいつものように怒った。
「……無駄だ。自分の最期くらい……わかる……」
「……」
唇を噛み締める。血の味が口の中に広がる。
「キッド……おれは……後悔はしてない」