第19章 〈ロール〉お前とまた出会えた奇跡を
「よく生きてたもんだな、麦わら屋。だが、あの時のことを恩に感じる必要はねェ。あれはおれの気紛れだ」
そう、ただの気紛れ。
「おれもお前も海賊だ。忘れるな」
「……ししし! そうだな。〈ひとつなぎの大秘宝〉目指せば敵だけど……2年前の事は色んなやつに恩がある。ジンベエの次にお前に会えるなんてラッキーだ! ホント、ありがとな!」
「……」
こいつは本当に変な海賊だ。敵であるおれに礼を言ってくる。それも何度も。
「スモーカーさん!」
そんなことを考えていると、さっき真っ二つにしたはずの女海兵が戻って来た。大勢の海兵も引き連れて。
「うわっ! 海軍!? あ……あれ? あいつ……もしかして……」
「おい、マズいぞルフィ! 海軍だ!」
「あァ……」
麦わら屋たちが騒いでいる間に、女海兵がおれに向かって斬りかかろうとしている。
「よくも!」
「おいおい……よせ。そういう泥臭ェのは嫌いなんだ」
おれが言っても、女は止まろうとしない。
「“ROOM”」
おれはオペ室を展開し、スモーカーと女海兵の心を取り出した。
「“シャンブルズ”」
そして、2人の体と心を入れ替えた。
「懲りねェ女だ……そう深刻になるな」