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【ONE PIECE】海を巡る者たち

第10章 〈ロー〉感情の読めない人だから


 日が暮れて、月が夜空にかかっている海の上……ではなく、ここは海の中。1隻のオレンジ色をした潜水艦がゆっくり進んでいる。
「あー、あつーい」
 廊下に白くまが倒れている。汗もたくさんかいていて、とても辛そうだ。
「ベポ、もう少し待っててね。まだ上には海軍がいると思うから……」
 1人の女の子がベポの頭を撫でながら言った。
「海軍なんか、倒しちゃえばいいだけじゃないかー」
「ダメよ。この前、他の海賊と戦ったばっかで、みんな傷が癒えてないんだから」
「でも、暑いのよりはマシだよ」
「これは船長命令なの。船長の言う事は絶対でしょ?」
 女の子はにこりと笑った。
「船長は感情の読めない人だから、よくはわからないけど……そういうことを言いたかったんじゃないかな? そうじゃなきゃ、ベポが嫌いなことを知ってるのに、わざわざ海の中に潜ることなんかしないでしょ?」
「……そうだね。キャプテンがそう言うなら仕方ないや」
 女の子は笑って、またベポを撫でた。
「でも、アリス……いつになったら、上に上がれるの?」
「うーん……」
 女の子は天井を見上げた。
「たぶん……あと、1時間くらいは……かかるかな?」
「えー!」
 ベポは死にそうな声を上げた。
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