第8章 〈サボ〉どうして冷たくするの?
次の日の朝、今日の任務はないはずだが、コアラが食堂の時計を気にしていた。
「ねえ、サボくん。イワさんとレイ……遅くない?」
「……」
サボはコアラの言葉を無視して、新聞を読んでいる。
「サボくん、何か知ってる?」
「……」
「……サボくん!」
コアラは無言のまま、何も言わないサボに腹が立ち怒った。
「……何だよ」
「なんかあったんでしょ! レイと!」
「な、何もねェよ」
明らかに様子がおかしいサボを見て、コアラは目を細めた。
「……最近、サボくんおかしいよ? レイが全然話してくれないって寂しがってた」
「……」
「喧嘩でもしたの?」
「してない」
サボは不機嫌そうに横を向いた。
「じゃあ、どうしたの?」
「……何もない」
「嘘! サボくん、嘘つくとき右下を向く癖があるもん!」
「……」
コアラは腰に手を当てて、盛大にため息をついた。
「いい加減、仲直りなり何なりして? 任務にも支障をきたすようになったら、みんなに迷惑かかるんだから」
「……」
サボは俯いた。
ーどうやって……話せばいいんだよ……。
「だいたい、サボくん、どうしてレイと話そうとしないの? 前はあんなに楽しそうに話してたじゃない」
「……わ、わからない……」