第2章 沖田総司
この子は沖田総司といった。
まだ九つだが内弟子としてこの試衛館道場に引き取られた。
しかし、内弟子というよりは使用人のような扱いだった。
そんな総司を見ていて、いてもたってもいられなくなって私は周斎先生に許可をもらい面倒を見たり雑用の手伝いをした。
総司は「かまわないでください」と言った。
しかし、私はそんな総司を見つめて言った。
「いいかい総司、私はね、貴方が可哀想だとか惨めとかそういうことを思ってこうしているんじゃないよ?私は総司と仲良くしたいからこうしているの、ダメ・・・かな?」
そう言うと総司は私を見上げた。