第2章 沖田総司
近藤さんを見送ったあと、総司の頭にそっと手を乗せ目線を会わせるようにしゃがみこんだ。
「同情なら要りませんよ」
「まあ同情と言われたらそうかもしれないな。だけどさ総司は我慢してて辛くないか?」
「別にこんなのはどうってことはないですよ」
「そうか・・・でもな、無理をしてはいけないよ?総司は独りじゃないんだ、私や近藤さんがいるそれにみつさんだっている」
「っ!!姉上は!・・・姉上は、僕を捨てたんです」
「っ!」
【パシンッ】
私は思わず頬をひっぱたいてしまった。
だけどその一言を聞いて言わずには入れなかった。
「総司!!そんなわけないでしょ!!実の姉が、弟を!大事な家族を捨てるわけないでしょう!!大事な弟だから、いまの生活では食べさせていけないって考えてその上で、総司をここに預けたんだ」
「・・・っ」
「総司は、きっと心のどこかでは寂しいって思ってるだろうし辛いときだって我慢してるんだと思うよ・・・でもそれはね、お姉さんだって同じだよ・・・」
「・・・どうして、そう思うんですか」
「・・・私には、妹と弟がいたんだ・・・だけど・・・私たちは皆・・・離ればなれになった・・・里を燃やされて・・・両親は私たちを守るために死んでしまったし、妹はある人に連れ出されて弟も違う人に連れていかれた・・・一人になった私は旅をしてここに来た・・・だからみつさんの気持ちは少しながらわかるつもりだよ」
そういって震えていた。