第8章 第8Q:☆ふたりぶん☆<赤司>
「はな・・・」
優しく私の名前を呼ぶ声・・・
あれ・・・
片方の眼は・・・征十郎・・・
もう片方の眼は・・・・
もう一人の征十郎?!
左側のまぶたを優しく触ると・・・
征十郎の身体がビクリと反応する・・・
「ははっ・・はなには勝てないな・・・
すまない・・・
もう一人のオレもお前を愛したいんだ・・・
ひどいことをしたのは分かっている・・・
だけど・・・
二人の赤司 征十郎は・・・
中川 はなを心から愛している・・・」
その言葉に収まっていた涙腺から、
再び涙があふれ出す・・・
征十郎の両頬に手を添えて
私も・・・あなた「たち」を愛しています・・・
唇を動かしてそう伝えると・・・
赤司「ありがとう」
そういって・・・征十郎の左眼から・・・
一筋の涙がこぼれた・・・