第8章 第8Q:☆ふたりぶん☆<赤司>
せっかくのお休みだというのに・・・
征十郎は、旦那様のお手伝いで、屋敷内でスーツを着こなし、仕事をしている・・
高校生なのに・・・すごいな・・・
赤司「あぁ・・これでいい。父に最終の確認をとっておいてくれ・・」
テキパキと指示を出す、征十郎はとてもカッコイイ・・・
物陰に隠れて、見ていた私に気づくと・・・
赤司「はな・・・そんなところでかくれんぼかい?
出ておいで?!」
書類をデスクに置くと、手を広げてにっこりと笑ってくれる・・・
おそるおそる出ていくと・・・
少し悲しそうな顔をして・・・
赤司「いつになれば・・・ボクの罪は許されるのだろうね・・・」
消え入るような声で、つぶやいた・・
私は声を失ってから・・・
その分・・周りの物音がよく聞こえるようになった・・
今まで気づかなかった、誰かのどんな小さな変化にも気づけるようになった・・・
「(征十郎のせいじゃない・・・私が臆病だからいけないの・・)」
そう伝えると・・
ますます悲しそうな顔をして・・・
赤司「はなは、優しいね・・・」
そう言って、そっと抱きしめてくれた・・・