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第3章 Ⅲ お前のために


「はぁ、はぁ、・・・・・ここ、どこ?」


会場は思ったより広く、観客席が見当たらなかった。

というより、迷子になった。

「選手控室ってかいてる・・・、観客席はどこー?」

どうしよう・・・だれか係りの人に・・・


ガチャ・・

「・・・・・!」

選手控室から誰かが出てきた



「真咲・・・?」



「ハル・・・!」

出てきたのはハルだった。

下は水着に着替えていて上にジャージを羽織っていた


「間に合った・・・?」


「あぁ。いまから決勝だ。」

「よかった・・・!」

「そっちは・・どうだったんだ・・?」


「優勝したよ」


「そうか、がんばったな。」

ポン

ハルが私の頭の上に手をのせた


「・・・ハルッ!」


「・・・ん?」


「ハルは結果とかタイムとか気にしない人だからなんて言ったらいいのか分からないけど・・・」


「・・・・・。」


「応援してるよ。」


私はまっすぐハルを見つめた

ハルは一瞬大きく目を見開いて、そしてすこし口元を緩ませた


「あぁ。」


そう言いながらハルは着ていた上着を脱ぎ、私の腕の中にポンっと置き、プールへと歩いて行った



私はハルのジャージをぎゅっと抱きしめ、遠ざかる彼の背中を見ていた


大丈夫・・・ハルならきっと・・・!




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