第1章 日常をぶち壊される
両親が離婚した。
方向性の違いという高校生バンドの解散の言い訳みたいな訳のわからない理由(きっと本当は子供には言いづらい複雑な理由なのだろう)で先週の日曜日に母が離婚届を役所に提出し、正式に離婚が成立した。
そして俺と母さんは今住んでいる家を出て、親戚がいる箱根に引越しすることになった。
箱根には中学に入ってから長らく会っていない従兄弟がいる。元気にしてるんだろうか、と大して気にも留めていないことを考えてみる。
従兄弟は2人。俺の母さんのお兄さんの子だ。両親が離婚して母さんと俺が母さんの旧姓に戻るから従兄弟たちとは同じ苗字になる。上の方の奴とは高校が一緒だから多分質問攻めとかされるんだろうな、と少し憂鬱な気分になる。あいつ、小さいときからモテてたからな。弟の方はあんまり一緒にいなかったからぶっちゃけ覚えていない。ただ、兄とうり二つだったことは記憶している。俺も高い鷲鼻だけはそっくりなんだが。
「…………憂鬱だ」
それより、今は部屋の片付けと荷物の整理だ。これから待っている新たな土地に思いを馳せながら、わりと汚い部屋に目を向ける。
「もっと早く片付けとけば良かったなー……」
今更後悔しても遅い。
引越しの日は目前へと迫っていた。