第39章 招待状
いつものように仕事が始まる
お客様の心が少しでも笑顔になるように
明日を楽しく過ごせるように
心を込めて髪をセットしていく
丸山さんも頑張ってるだろなぁ
ファンの笑顔を作るために
元気に笑顔で歌ってるだろなぁ...
私は、お客様の髪を触りながら鏡を見た
私の首から下がってるペンダントの4つのハート
私が色んな事を乗り越えて手に入れたハート
横山さんの質問を、フッと思い出した
織姫はこんな気持ちだったのかも
彦星と強い絆で結ばれてるから
色んな事を乗り越えられてるのかも知れない
一年も会えないという事すら...
私は休憩の時に、アイツに声をかけた
「ねぇ、少しいい?」
アイツは驚き、言葉なく頷いた
「これ、良かったら一緒に行ってくれないかなぁ?」
そう言って、丸山さんからのチケットを渡した
彼は黙って受け取った
そして
「....アイツからの招待状か?」
私は小さく笑った
「丸山さんは、私の大切な人と見に来てって」
その言葉に彼も驚いた
「俺でいいんか?」
私は少し意地悪ぽく彼に言った
「かなり迷惑かけられたけど、おかげ私は丸山さんに出会えたし、幸せを手に入れられたから...
それに、仕事では大切な相棒だしね...」
その言葉を聞くと彼は笑ってた
「...相棒ね、今はそれで我慢しとくわ」
私は、彼にも感謝していた
だって彼が私にドタキャンしなきゃ
この奇跡はなかったから
私の奇跡は一人で起こしたのではなく
色んな人が私にエネルギーをくれて
時には複雑に絡み合ったが
それぞれの気持ちをぶつけあって
起きた奇跡だから
私は彼らと一緒に丸山さんに会いに行こうと決めたのでした