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藤ヶ谷先生、大好きですよ?

第20章 ♡Story17♡ 記憶


百合Side


「っ......」



私は無我夢中で病院の廊下を走っていた......



看護師さん達が何かを言っているがそんなのは少しも耳に入らなかった。



ただ、太輔が私の事を忘れてしまったことが心痛い......。



ただそれだけだった......


その時...



どんっ!



「っ!」



無我夢中で走っている百合は誰かにぶつかってしまった。



「っ......百合ちゃん?」









「っ柊、さん......」



顔を上げてみると目の前には柊がおり、百合は柊の胸元に収まっていた。



「百合、病院の廊下を走っちゃ駄目だろ?
......何か、あったのか?」



「百合ちゃん......顔色が悪いよ?大丈夫かい?」



「お兄ちゃん...涼介さん......」



そして柊の横側には裕太と涼介の姿もあった。



「っ......」



百合は再び涙を流す......



「百合、藤ヶ谷先生に......何かあったのか?」



「......記憶が、ないの......」



「「「っ!?」」」



3人は思いもよらない百合の言葉に言葉を無くす。



「記憶......記憶喪失かい?」



柊は百合の気持ちを察したかのように優しく尋ねる。



「はい......っでも......」



「でも?」



「北山先生の事は覚えているのに......私の事、覚えていないんです。
何一つ......」



「ぇ......それって、どういう事だよ?」



「私だってわからないよお兄ちゃん!
なんで!なんで!......私の事だけ、覚えていないの?」



「百合......」



「っちょっと俺、藤ヶ谷さんのところに行って確かめてきます!」



涼介は太輔のいる病室に向かっていった。



「っ俺も行く!......柊さん、
今の百合は行くこと出来ないから......
しばらく妹を見ててもらっていいですか?」



「わかった......俺も落ち着き次第、そっちに行くよ。」



「ありがとうございます。」



そして裕太も涼介の後を追い、病室に向かった。
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