第20章 ♡Story17♡ 記憶
翌日の放課後、百合はバスで病院に行った。
「確か太輔が寝ている病室は......
205号室だったよな......」
そして百合は病室に向かう。
ちなみに裕太は後で来るらしい。
病室前...
コンコン...
「失礼、します......」
ノックをし病室に入る百合、
中には寝ている太輔しかおらず他の人は誰もいなかった。
「他のみんなは仕事で忙しいのかな......」
百合端の方に置いてあったパイプ椅子を取り出し、
その椅子に座る。
「太輔......」
(この感じを見ると、
あれ以降目を覚ましていないのかな......)
目の前にいる太輔は頭に包帯を巻き、
点滴を打たれながら眠っていた。
「太輔、本当にごめんね?
......私なんかを庇ったばっかりに......」
太輔の頬を撫でる百合、そして......
「っ......本当に、ごめんなさい......
だから太輔、早く...目を覚まして......」
百合が流した一筋の涙は太輔の目元に落ち、
横目に流れ落ちていった。
「......っ」
それと同時に太輔が小さなうめき声をあげる。
「っ太輔!?」
太輔のその目がゆっくりと開かれていく....
「っ太輔......」
(よかった、本当に良かった......
目を、覚ましてくれた......)
するとそこへ......
コンコン...
「失礼します......あれ?百合ちゃん、
もう来てたんだね。」
「っ北山先生!」
病室に入ってきたのは花束を片手に持っていた宏光だった。
「藤ヶ谷先生の具合はどう?」
「太輔......今目を覚ましたところですよ。」
「っ本当に!?」
「はい!
でもまだ、意識が朦朧としている感じですけど......」
「でも目を覚ましてくれたんだ、よな?」
「はい!」
宏光も太輔の元へ行く。
(っ本当に良かった......本当に......)