第19章 ♡Story16♡ 事故...
百合Side
あれから気を失ってしまった私、
私はある夢を見ていた......。
『嫌だよ太輔......嫌......』
百合は何も見えない暗い空間におり
その空間の中で膝に顔をうずくめ泣いていた。
『ヒック...ヒック...ヒック......』
『百合......』
『っ太輔!?』
泣いているとどこからか、
自身の名前を呼ぶ太輔の声が聞こえてきた。
百合は顔を上げ辺りを見渡すも太輔の姿おろか、
誰もいない......。
そして......
『百合......』
『っ太輔なの!?ねぇ、どこにいるの!?』
また太輔の声が聞こえたがやはり姿は見えない。
『ねぇ......太輔、どこにいるの......。』
百合は太輔を探そうと当てもなく走り始める。
走っても走っても先は見えない......
自分さえも走っているのかも解らない......。
『太輔......太輔......』
だが百合は走り続ける。
しばらく走っていると......
『.....っ太輔!?』
自分の前に顔は暗くてわからないが、
太輔らしき姿が見えてきた。
『太輔!』
百合は足をさらに速め太輔の元へ走っていく、
しかし......
『......っ!?』
百合の前には仮面をつけた
誰かも分らない見知らぬ人物が姿を現した。
『お前のせいだ......』
仮面の人物がいきなり喋り出す、
だが声の主は誰なのかさっぱりわからない......。
『っ......』
『お前がもっと早く避けていれば
あんな事にはならなかった......』
『っ......』
そうだ......あれは私のせいなんだ......。
私があの時ちゃんと動けていたら太輔は......。
『...や.....ぃゃ....』
百合はその場に崩れ込むように座り込んだ。
『......』
そして仮面の人物は百合を見下ろすように見ていた。