第17章 ♡Story14♡ ずっと、解っていたこと...
裕太に連れられ、家に帰った百合。
「ただいま!」
「お帰りなさい裕太!......あら、
百合も一緒だったのね!」
「うん、ただいま......」
「あと少しでチキンができるわ!
お父さんもさっきメールで今こっちに向かってるそうよ。」
「じゃあ父さん、ちゃんとケーキ買えたんだ(笑)
ぁ...はい母さん、サラダ用のドレッシング。」
「ありがとう裕太、百合も!
もう少しで支度が出来るから待っててね。」
「うん!ありがとう、お母さん。」
「さーて、チキンの具合を見てこないと!」
そう言うとお母さんはキッチンに戻って行く。
「......さっきのこと、
"今は"母さん達には言わないけど......」
「......わかってる。いつかはバレることだから......」
「夕飯まで時間もあるから......
2階の俺の部屋で話そう......。」
「......うん。」
裕太の部屋...
「......で、
藤ヶ谷先生とはいつから付き合ってるの?」
「......陸と別れた辺りから......」
「......。」
「......卒業式の前日にね、偶然太輔を見かけて......
それからずっと、太輔の事ばっかり考えちゃって......」
「陸よりも......
大事な存在になっちゃったんだ......」
コクッ...
「......。」
小さく頷く百合。
「百合は本当に大好きなんだね......
藤ヶ谷先生のことが......」
「うん......私にとって太輔は、
かけがえのない人なの......」
「......。」
「私、太輔と別れたくないよ!
だって......やっと...やっと......」
段々目に涙を浮かべる百合。
「......俺としては、交際を反対する気はないよ。」
「っ!?」
裕太の思いがけない言葉に驚愕の顔をする百合。