第15章 ♡Story12♡ ヒロインのオファーが来ちゃいました...
百合Side
教室...
百合は自分の机に俯せていた。
「はよ、百合。......元気ねぇけどどうした?」
「ぁ...陸......別に、何でもないよ(笑)」
陸に話しかけられ、顔を上げる百合。
「そんな机に俯せられていたら、
何でもなくないと思うけど......」
「......誕生日。」
「誕生日?......そうか、
お前の誕生日ってあと10日くらいだったもんな。」
「......。」
「......もしかして、誰も覚えてなくて落ち込んでる系?」
「...半分正解ってところ......。」
「......ぁわかった!お前のことだから、
藤ヶ谷先生に誕生日忘れられて落ち込んでるんだろ(笑)」
「......(睨)」
ビクッ
(図星だった......)
「わっ、わりぃ百合!言い方があれだった......。」
「別に......5年間も離れてたんだから、
忘れてても仕方ないし......。」
「百合......。」
(でも藤ヶ谷先生、本当に百合の誕生日忘れたのか?
あの先生が忘れるなんて、俺には思えねぇけど......)
プルルルル...プルルルル...
「......?お前の携帯じゃね?」
「ぇ...あ、涼介さんからだ......。
次の撮影についてかな......」
百合はスマホを取り出し、教室の外に出て行った。
「百合のやつ......」
(あんなんで仕事に集中できんのかよ......)
陸は心配そうに、
教室の外で電話をしている百合を見ていた。