• テキストサイズ

【CDC企画】2人の空間

第2章 誰も知らない


「そろそろ戻ろうぜ。甘酒ありがとな。美味かった。」

どれぐらいの時間が経ったのかな。
冷たい風はそのままに夜は一層更け、真っ暗闇を月明かりと無数の星達が照らしていた。

その夜空が今晩はとても綺麗に思えて、離れがたい気持ちにさせてくる。

「私はもうちょっと残るね。空を眺めていたいの。」

「でも寒いだろ。」

「少しだから平気だよ。」

はにかんだ笑顔を見せるけど本当は少しだけ寒かったり。
でも甘酒も飲んであったまってるから少しだけなら大丈夫だよね。

「お前な、だってほら手、こんなに冷えて…あったかい?」

平助君が私の手を取る。平助君の大きな手のひらも熱を帯びていて心地いい。

「オレも一緒に見るよ。でも少しにしとけよ?」

暖かな手を取り合いながらキラキラ輝く冬の空を2人で見上げてた。

この2人で飲んだ甘酒の本当の意味は

私以外誰も知らない。
/ 21ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp