第19章 今日からあなたの彼氏です
【黒子テツヤ】
「夏姫さん」
「はい…」
部活終わりに黒子くんと一緒に帰っていた。
「僕の好きなものわかりますか?」
「えーと、本とマジバのバニラシェイク」
「あとは…?」
「あと…あっ!!バスケ!!」
「それも正解ですが、まだ大事なものが出ていません」
「何だろう」
考えてみたがさっき出したもの以外は思い付かない。
「ん~……分からないよ。教えて」
降参です。
答えを教えて下さいな。
「夏姫さんですよ」
「え…」
私?
「好きですよ。夏姫さん。僕と付き合ってくれませんか?」
「私…その…」
告白の返事って何て言えば良いの?
「夏姫さん?どうしました?」
黒子くんが心配そうに見つめてきた。
「……き」
「え?」
「好きです。私も黒子くんが好きです」
すると、黒子は私の手を引くと優しく抱きしめた。
「大切にします。ずっと…」
「うん…」
街灯だけが私たちの重なった影を照らしていた。