第42章 どっちが好き?【紫原敦&赤司征十郎】
「むっくん!!」
「……夏姫ちん」
「むっくん、私ね」
「行かないでよ…夏姫ちん」
「むっくん?」
むっくんの大きな体に包まれた。
「赤ちんと一緒に行かないでよ、夏姫ちん。オレと一緒にいて」
むっくん、私の事止めてくれてるの?
「むっくん、私は行かないよ。むっくんと一緒にいるよ」
「本当?ずっと…?」
「ずっと一緒だよ…」
「夏姫ちんオレね…好きみたい夏姫ちんの事」
「私も好きだよ…むっくんの事………小さい頃からずっと」
「赤ちんよりも?」
「うん」
「やったぁ~赤ちんに勝っちゃった」
むっくんの長い腕が私を抱き上げた。
「さっきから気になってたんだけどさ~夏姫ちんから甘い匂いがするんだよね」
さすがむっくんお菓子に関しては鋭い。
その鋭さを今度は恋愛にも使ってくださいよ…
「むっくんにあげようと作って来たんだ」
「オレに?…………でも今はまだいいや」
「え?」
お菓子いらないの?
「お菓子より欲しいのがあるんだよね~」
「何?」
お菓子よりも欲しいのなんて…
なんだろう?
「ヒントはね~近くにあるよ」
近くにってここ何もないよね?
「時間切れ~正解は……」
ちゅっ━━
「………んっ!!」
「正解は夏姫ちんでした~お菓子いただきま~す」
「…………っ!!」
お菓子よりも欲しいのが私!?
でも今は私よりお菓子!?
むっくんってどっちが好きなのよ~!!