第46章 【サボる兄妹】
「私は、別に」
美沙が照れたように呟いた。
「私は縁下力の妹で兄さんがひどいことされるのが耐えられへんだけで、あと、兄さんが大事にしてる人らまでどうこう言われるのって何か腹立つだけで、それに」
美沙は一瞬息を吸ってから続ける。
「自分がひどい事言われた時誰も何もしてくれへんの、辛いやん。同じ事人にするん嫌やで。」
力の中で色々な言葉にならない感情が高速で巡った。
「馬鹿、あー、じゃない、阿呆。」
力は義妹を抱きしめる手に力を込めた。
「それを当たり前に言って、するから最高だって言ってるの。」
そして力は小さく呟いた。
「だからさ、俺今お前いないとヤバイ。」
「私もやで、兄さん。」
美沙も言う。気持ち悪いと言われてもやはり自分達兄妹は依存しあうことから当面抜けられないと力は思った。
次章に続く