第41章 【青葉城西と遭遇】
花巻と松川は美沙に感心することしきりである。カオスはまだ終わらない、今度は金田一が天然で事を深みにはめていく。
「あの、写真も見せてもらいましたけどホントに細いんですね。体重いくつですか。」
青葉城西の連中は金田一が美沙にぶつけた質問に固まった。渡などはあっ馬鹿と言いたげに自分よりでかい金田一を肘でこづく。しかし相手はいい子だが普通でないと兄にすら言われる縁下美沙だった。
「え、体重。」
言ってすぐしれっと数値を答える美沙にこれはこれで青葉城西の野郎共の多くは動揺した。
「答えやがったっ。」
花巻が声を上げ
「普通女の子は怒る質問ですけどねぇ。」
矢巾が苦笑する。
「自信があるのかな。」
「渡さん、あの嫁多分何も考えてませんよ。」
「軽っ、めっちゃ軽いですねっ。」
「そーなん、他聞いた事ないからよう知らんねん。そしてまた嫁言うたん誰や。」
「ちゃんと食べてるんすか。」
「いやあの別に虐待されてへんからむしろ可愛がられてるから、ありがたいことに。ところで皆さん何動揺してはるん。」
「さあ。」
「6番の妹さん、」
松川に言われ美沙は私は縁下美沙です、と改めて名乗る。
「じゃあ美沙さんさ、天然って言われない。」
「及川さんに言われました。あとたまに兄さんにも言われる。」
だろうねと松川は呟き美沙は首をかしげる。
「ああでもあんま体重聞かれると微妙かも、影山にしょっちゅうヒョロヒョロって言われてるから。そんなん言うたら男バレの1年マネの子、あ、友達なんやけど、も細いのに何で私ばっかりなんかわからへん。」
「か、影山が女の子にそんなことを。」
「多分影山も何も考えてないよ。つか体重聞かれるの嫌な理由がおかしい。」
ヒクヒクする金田一に代わるように国見が言う。
「おかしないもん、影山と西谷先輩、あ、4番の人な、がしょっちゅう人の腕触ってヒョロヒョロすぎやよう折れへんなってうるさいねん。ほんで兄さんには触らせすぎやて私が怒られるし。」
「出たっ、兄貴の嫉妬。」
花巻が呟く。