第38章 【勉強会】
結局なんだかんだで勉強は再開される。
「だから西谷っ、前言っただろっ、問題文も文脈も丸無視すんなって。」
「読んでたらよー、辛気くせぇったら。」
「お前の感想は今いらないからっ。」
「訳わかんねー、映画にも出てる白い鮫がなんだと。」
「田中先輩、それはホホジロザメについての英文ちゃいますか。」
「何でだよ。」
「white sharkでしょ、ほんで映画にも出たんでしょ。」
「おめ、なかなかやるな。」
「縁下、お前の妹あれで何で生物苦手なの。」
「言うな、木下。興味が持てない場合は覚えらんないんだよ。それで美沙、お前数学の問題出来たの。」
「でけた。答え合(お)うてた。」
「あっ、西谷がまた死んでる。」
「一仁、俺もうダメだ。」
「普段無駄に生気にあふれてるくせに。」
「美沙、頼むよ。」
「西谷先輩、ここは男を見せなあきませんよ。」
「おっしゃっ。」
「毎度ながら世話がやけるんだから。美沙、頭貸して物理的に。」
「撫でさせろって普通に言えよ。」
「と、木下先輩が言うてはるけど。」
「知らない。」
「お、まだやってるねー。あ、美沙、ポテチやるから食べな。」
「いただきまーす。」
「うちの美沙に餌をやらないでください。」
「私は野良猫かっ。」
カオスである。力が指導し、愛すべき阿呆共は何度も屍と化し、成田と木下はたまに縁下兄妹を弄りつつ愛すべき阿呆共にツッコミを入れ、美沙は愛すべき阿呆共をたまに鼓舞して義兄の癒しに付き合い合間に田中冴子にお菓子で餌付けされる。
まったくひどい有様だった。