第1章 いつもありがとう
「ほら、せっかくの機会だ!ちょっとうるせぇあいつらいないんだからさっさと伝えてこい!」
海に背中をグイグイ押されて、最後に強くドンと叩かれた。
「・・・・・ちょっと行ってくる!!」
「おう!頑張ってこい!」
そう言って夜久は#文花#の向かった方向へ走って行った。海は彼の後姿をみて親指をそっと立てて
「幸運を祈るぜ、夜久」とつぶやいて帰路を再び歩き出す。
その頃#文花#も一人で帰路を歩いていた。
『やっぱり、夜久先輩の事・・・海先輩が言ってくれなかったら気づかなかったかもしれないな・・・』
確かに夜久先輩といると楽しいし、時間を忘れちゃうし、時々ギュッとされると嬉しいしもっとって思うし・・・。
「#吉野#!!!」
『あ、夜久の先輩の声がす・・・・え!!??』
私は思わず大きな声を出してしまった。ゼエゼエと粗い息遣いの先輩が目の前にいる…あ、頬痛い。夢じゃないんだ‥。
「ゼエゼエ・・・すまん、ちょっといいか?」