第17章 OH MY GOD ジョセフ
…私は壊滅的なほど頭が悪い。本当に何もできないくらいの大ばか者でして。だからこうして誰かに教えてもらわなければどうにもならない。
「ハァー?!こんなのもできねェの?!」
だ、だからってこんなに馬鹿にしなくてもいいとおもう!
いや、できない私が悪いのはよくわかっているから、ジョセフに何を言われても反論はできない。仕方なくごめんなさいと謝る。
「コレができねーってことは、授業まともに聞いてないってことだぜ…」
「じゅ、授業は聞いてるから!」
その証拠に、とノートを見せればおお、とジョセフは驚きの色を隠せなかったようだ。
だって私のノートは完璧すぎるほど美しい。先生にも何度も褒めてもらったんだから!これは馬鹿になんてできないでしょう。
「なんでここまできれいにノートとれて勉強できねーのか不思議なんだけど」
「それは私が一番聞きたい」
要点をしっかりとおさえてイラストもいれて、マーカーだってペンだって使って復習しやすいようにしているんだけどなあ。
「…まァノートとるのに夢中になって話きいてないってとこだなこりゃ」
「そ、そんなことないよ!だってホラみて、先生が言ってた重要な点も書いてあるじゃん」
「コレ書いて満足してるだけだろ…」
満足してる…?いやむしろ、何も考えてないっていうか…ハッ!
「……亜理紗」
「な、なに」
ノートを閉じて私にかえしてきた。きゅ、急に真面目な顔してどうしたんだろう…
「俺と同じ大学に行くんだろ」
「そう、だけど」
「…そんな貧相な頭じゃあ到底無理だな!」
「うるせええーーッ!!」
ニカッと可愛らしい顔したって許してやらないんだからねジョセフ!!
私は思い切り参考書の角で頭を殴ってやった。
END