第1章 止められない現実
in毛利探偵事務所
「で?で?!新一くんとはキスしたの?」
興味津々な顔で園子は蘭に聞いた。
「それがね…。そんなの全く無いの。コレって、普通じゃないよね?」
「んー。確かに、蘭は新一くんと付き合ってもう9ヶ月ぐらいだしキスぐらいあってもおかしくないけど…」
「だよね…」
蘭はがっくりと肩を落とした。
「手くらいは繋いだの?」
園子の新たな質問に蘭がまた胸が張り裂けそうになる。
「ううん。全然。それでね、私から繋ごうとしたら新一に避けられちゃって…」
「ええっ?!それ、おかしいじゃない!好き同士なのに。あたしはそんなの許さない」
「も…もしかしたら私に何か不安があるんじゃないかな…新一」
下を向いて蘭は言った。
「蘭。そこは新一くんにちゃんと聞くべきよ」
「…うん…そうだね」
不安でいっぱいの心を必死に抑えて蘭は首を縦に振った。