誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第8章 チョコレートのsacrifice
「できたぁぁ」
小さな箱にピンクのリボンをつけた。和葉がほっと息をついて満足そうな笑みを浮かべている。もうすぐバレンタイン。
(平次、喜んでくれるかな)
そう思いながらハート型の自ら作ったチョコを手で一つ摘むと口に運んだ。
「うまいっ!絶対平次喜んでくれるわ。はよ、バレンタインならんかな」
「平次くんにか?」
後ろから銀司郎が尋ねてきた。
「うん!お父さんも食べてみてぇ!メッチャ上手くでけてん!」
「どれ」
そう言うと銀司郎は星型のチョコを一口食べた。
「ほんまや。これはいける。でもこれ、平次くんにあげるチョコちゃうん?食べてもええんか?」
「大丈夫。平次にあげるチョコはもう、ちゃんとラッピングして置いたるねんから」
今までよりとびきり思いの詰まったチョコレート。去年までは義理チョコとしてあげていたが今年からは本命チョコとしてあげられる。それは和葉にとってとても嬉しいことだった。その喜びに和葉は笑みを浮かべラッピングされたチョコを見つめた。