誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第6章 無心、無愛
クリスマスまであと6日。今日は終了式で明日から冬休みが始まる。寒い体育館。校長の長い話を全校生徒が集まって聞いていた。
(もうすぐクリスマスやなぁ)
校長が話している中一番後ろの列で平次は体育館の窓から見える雪を見ながら思った。
(今年のクリスマスは和葉と一緒に過ごしたかったんやけど無理そうやな…)
そう思っていると隣の方から男子の耳打ち声が聞こえてきた。
「あの、遠山和葉っちゅー子、柊に告られたらしいで」
「えっ?!まじかよ~」
(な…何やて?和葉?!告られた…?!)
平次はさっきよりも耳を傾け聞いた。
「まだ、返事はしてんらしいけど考えとくって」
「うそ~。でも遠山って服部と付き合ってるんとちゃうん?」
「ん~。そこら辺は分からんけどどっちにしろ服部、ピンチってとこちゃう?」
平次の存在に気付いていない男子生徒たちは堂々と平次の名前を挙げて喋っていた。
(なんや…まだ付きおーて無かったんか。でも…告白したなんて…)
平次の心の中は不安が少し解消されたようだった。しばらくして、続けて男子生徒たちの話を聞いていると冬休みの話題になった。
「俺ら部活あるから冬休みらしい冬休みとちゃうな」
「本馬に。しかも今年は補習あんで」
その話を聞いた平次はこの前の自分の期末テストがギリギリ補習組に入ることを思い出した。和葉のことばかり気になって勉強にも身が入らない。
「補習ってクリスマスの日やろ?先生もけったいなもんやで」
「マジでないわぁ」
(んじゃあ、和葉も補習来るんかいな?確かあいつ合計点数低かったって聞いたし)
そう思った平次は補習の日にちゃんと自分の気持ちを伝えようと思った。