誰よりも君で。heiji×kazuha恋物語【名探偵コナン】
第2章 ホンマの気持ち教えて
「平次~♪一緒に帰ろ~」
六時貫目が終わると和葉はすぐ平次の教室に走った。今はテスト期間中で部活動が休みである。
「おぉ。和葉。毎回毎回お前は元気やなぁ」
「それがあたしの取り柄やもん」
「ほんまな。和葉、それしか取り柄ないもんな」
バカにするように平次は笑った。
「はぁ~?そんなことないやん!平次が気付かんだけちゃう?」
「そんなことあるんです~」
会話をしながら校門を出た。あれから……平次の旅行先での告白から4日が経つ。お互いの想いを知ったからといって接し方や話し方が変わったというわけではない。だが、告白を機に毎日2人は一緒に学校を行き帰りするようになった。
「なぁ。駅前においしーケーキ屋さんがあるねんけどこれから行かへん?」
和葉は平次の前に立って笑って言った。
「アホ。テスト期間やゆーのに遊んでられるかいな。しかも俺、甘いもん好きちゃうし」
「え~?!平次、甘いもん好きちゃうかったん?!知らんかったわー。でも、おじちゃんは甘いもん好きやろ?」
「オトンと一緒にせんといてくれ」
「はいはーい」
学校を出てから5分くらい経った。和葉の家につく前に平次の家がある。その近くに大きな坂があり、そこを歩いているときに和葉はつまずいて足を挫いてしまった。
「あ゛っ…」
「おい、大丈夫かいなー」
「う…うん。大丈夫」
そう言って和葉は立ち上がろうとしたがなかなか立ち上がれない。
「まったくー。手の掛かるやっちゃなぁ」
そう言いながら平次は和葉の前でおぶる態勢になった。
「へっ…平次?」
「ほれ。なにしとんねん。さ、早よう乗らんか」
平次の言葉にゆっくりと和葉は平次の背中に乗った。
(うわぁ…。平次の背中、暖かいな…できることならずっとこのまま…)
「着いたで~。足首けっこー腫れてるみたいやから湿布貼ったるわ」
そう言って和葉を服部邸の中へと平次は連れて行った。中に入ると和葉はソファーの上に座らせられしばらくすると平次が救急箱を持って和葉の前に座り中から湿布を取り出し和葉の足首に貼った。
「ちゃんと安静にしとくんやで」
「うん…」
(この前、旅行ん時こうして平次が手当てしてくれたん思い出すなぁ)
そう思うと迷惑ばかりかけている自分に和葉は気付き泣きそうになった。
「なぁ…平次…?」
救急箱の片付けをしている平次に和葉は問う。
「どうした?まだ痛むか?」