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Dye D? <番外編 丸山>

第7章 本能


吸血鬼は、どんなに遠くにいても
獲物の匂いを的確に感知出来る。

身体を霧に変えられるから、壁でも通り抜けられる。

自分自身の姿をコウモリにも変えられる。

そして、心臓に杭を打たれるか、
聖水、ロザリオで襲わなければ、
我々の命を奪う事は出来ない。


僕の鼻に、横山くんの匂いは捕らえてある。
場所はもう分かっている。

僕は亮ちゃんを送ると、横山くんを助けに向かった。

僕の正体がバレても彼を助けると決めたからだ。

僕の瞳は、怒りで深紅に変わっていた。

深い、深い森の奥の小さい木屋に彼はいた。

ロープで縛られ、目には目隠しをされていた。

その目隠しは涙でビチョビチョに濡れていた。

彼の服はまた、泥で汚れていた。

それより、身体中アザやケガがあった。


ドアが開くと、彼は恐怖で身体が震えていた。

「そろそろやなぁ....」

男は静かに声を出した。

「俺が悪魔になるのは....」


その小屋には不気味な道具が置いてある。

床には魔方陣が書かれてあった。


「この生け贄で、俺は悪魔になれる....」

「坊主、命をいただくぞ...」

その、瞬間に蝋燭の炎が消えた。

男は慌てて火をつけた。

その瞬間に男は驚いた。


彼の前に、真っ黒のコートの僕がいたからだ。

「だ、誰だ!」

僕は、傷つけられて震えている横山くんを見ると
怒りでおかしくなりそうだった。

この男だけは絶対に許さないと思った。
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