第4章 イルミ=ゾルディック
隣で走る君を眺める
黒く艶のあるサラサラの髪
白く繊細できめ細かい肌
あぁ、目の保養だ
「なにじっと見てるの。気持ち悪いからやめて」
『えー、やめれなーい』
心底嫌そうに歪んだその目も
何も写ってなさそうな目も
全てが美しい
「、、、本当にやめて。殺すよ?」
『やんっ、それは困る〜』
ずっと同じ容姿を保つように念をかけて
動けないように液体につけて
死なないように酸素マスクをあげて
一生私しか知らない場所に閉じ込めて
気の済むまで愛でていたい
「それより、もキルを探してよ。一体なんでまた家出なんてしたんだろ」
『さぁ?家が退屈だったからとか?あっ!イルミが嫌いだからかな!』
「後者はありえない」
『そうかなー?』
ねぇ、イルミ。
キルアを逃したのは私だって言ったら私を殺す?
[『邪魔者を刺してしまえばいい
。
イルミとシルバは仕事でいない。
今なら自由を手にすることができる。
ねぇ、キルア。
キルアはこのチャンスをものにしたくない?』
そっと耳元で囁く
銀色の髪を少し揺らして戸惑う姿はイルミとは違いあまり興味をそそられない
「………やる。俺は、、自由になる!」
せいぜいうまく逃げて
私の目標のために]
『ふふっ』
「何が面白いの」
木の間を風のように走りながら
『あのね………』
全ての事実を君に打ち明ける
あぁ、君がどんな反応をしてくれるか楽しみだ
このために彼には逃げてもらったんだから。
H27.2.5