第36章 クラピカ《4》
『はい、これで全部だよ』
「そうか」
最近よく情報をもらいに来るのはクラピカという中性的な顔立ちの少年
少しでも新しい情報が入ればこうやって私に話を聞きにくる
『あんた、よく蜘蛛なんかに手を出そうとするね。あいつらかなり危ないって知ってる?』
淹れたてのコーヒーを口に運びながら問いかける
元々あまり依頼主には関わらない私だが
危険度Aの奴らを狙っているのだ何を考えているのか気になって仕方がない
「あぁ、それぐらいはわかっている。」
『だったら何で奴らを狙ってるわけ?』
続いて、甘いチョコが散りばめられたクッキーを口へ運ぶ
彼はまだ、私を警戒しているらしく
私の出した飲み物や食べ物には一切手を出さない
よって、大皿に盛られた大量のクッキーは私が食べることになる
「情報屋を営んでいるお前にそんな事が言えると思うか?」
『あー、それを言われたら何にも聞けないじゃん』
ーーまぁ、容姿の情報だけでもかなりの値段で売れるんだけどねーー
声に出そうとした言葉を飲み込み”代金なんだけどね”
っと話しを変える
『この口座に振り込んでおいて』
「あぁ、すぐに振り込んでおこう」
失礼する。
なんてかた苦しい言葉を残して彼は出て行く
一口も手をつけていないカップを台所まで運びながら今日の予定を思い起こす
確か、次に来るのは幻影旅団の団員さんだったな
H27.3.9