第29章 ヒソカ《4》
「。。。。姉さん?」
『んっ。おかえり。ヒソカ』
口に含んであった甘いケーキを飲み込み愛する弟の帰りを迎える
弟、ヒソカは机中に置かれた多くのケーキと私の顔を何度も見比べる
「どうやって入ったんだい?」
『んー、てきとー』
少しハッキングして
ホテルの顧客名簿盗み見して
マスターキーを盗んで
ヒソカの部屋に入らせてもらっただけ
「はぁ、せめて連絡ぐらいはしてほしかったな❤︎」
『えー、めんどくさいー』
”それよりも”
と、小さく呟き立ち尽くす弟に飛びつく
『大きくなったね〜』
小さなため息をつきながらもヒソカは私の背に手を回す
私よりも高い身長
私よりも多い筋肉量
私よりも強いオーラ
『、、もう、私がいなくても大丈夫だね』
「え?」
ヒソカから距離をとり満面の笑みで放つ
『愛してるよ。いつまでもずっとずっと私はヒソカを愛してるから』
「何を言ってるんだい?」
何?そんなこと分かってるくせに
そんなにお姉ちゃんに構って欲しいの?
なんて、もう会うことはできないけど
『バイバイ。ヒソカ』
「姉さん?」
何事もないように部屋からでる
頬を伝う涙、彼には見えなかったことを祈ろう
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「、、、最後ぐらい一緒にいさせてくれても良かったじゃないか♠︎」
横たわる姉を抱きしめる
数日前にあった時よりも細く、白くなっている
息のしない姉に僕は何度も何度も
「愛してるよ♦︎」
そう呟く。
H27.3.2