第27章 幻影旅団《2》
『あー、しくじった。』
静かな部屋に私の声が響く
あたりには大きな袋の山
『予定よりも帰るの遅くなるとか、、馬鹿だろ私』
着々と近づいてくる気配は5つ
情報だとこの時間に帰ってくるのは強化系3人と特質系2人だろう
『どーしよっかなー』
逃げたいところだがすでに囲まれた状態
隙などあるはずもない
どうやら、相手が迫ってくるのを待つほかないらしい
『あーぁ、欲しかったのになーこのお宝。おっと』
軽くつま先で袋を蹴る
その拍子に流れ出た金銀銅様々な色のアクセサリー
金属独特の音を立て流れるそれは隣の袋へあたりドミノ倒しのように全ての袋からお宝が流れ落ちる
『。。。。綺麗』
金の海。
あたり一面光り輝くその場所はまるで聖地のようだ
『どうせ死ぬなら』
少し震えが混じった声で
視界が霞んでいく中で
死んで地獄へ落ちるなら
こんな綺麗なところで死ぬのも
『ありだよね』
これが私の運命なんだ
泣いたって何も変わらない
『わたしの最大の失敗は自分の力を過信していたこと』
気配を感じその場で戦闘態勢をとる
さぁ、本当の私の力はどれくらいなのだろうか?
H27.2.28