第24章 キルア=ゾルディック《2》
『流石だね〜』
久々に会った甥っ子はかなり暗殺技術が上がっていた
まぁ、最後に会ったのは3歳の頃だし上がってて当然か
「なんでいんだよ。」
顔に赤い血を飛び散らす彼は銀色の髪を揺らし振り向く
心底嫌そうな顔。
あぁ、反抗期なのかな?
なんて思いあまり深く考えないでおく
『いやー、イルミ君が迎えに来る予定だったんだけどね〜彼、仕事入って代わりに行って来いって兄さんに言われたんだ〜』
全く人使いの荒い兄さんだ
自分の息子の迎えぐらい自分でいけばいいのに
彼の隣へ歩み寄りまだまだ、小さい手をつなぐ
かすかに頬を赤くする彼は弱く手を握り返す
「はこの仕事どう思う」
『んー、暗殺業のこと?』
真っ暗な路地裏を音を立てずにゆっくり通る
問いかければ静かに頷くその姿は幼い少年そのもので人殺しなんて恐ろしことなど連想できない
『悪いことだけど生きていくためってのとこんな働き方しか知らないってことから私が人を殺すのは仕方がないと思う』
まぁ、私の考えだけどね
と、一言付け足す
その後数秒の沈黙
この時期の少年は何を考えているかわからない
いや、イルミ君達のことは今もわかんないな
「おれは……」
『ん?何?』
聞き取れないほど小さな声で呟く彼は暗い顔でうつむく
いつもは無邪気に笑う彼がここまで暗い表情をするなんて思いもしなかった
驚きと戸惑いが渦巻くがやはり年上として慌てた態度なんてとれない
「………なんもねー」
『そう。何かあったら私に言いなよ。助けてあげる』
「わかった」
月の光が空から降り注ぎ私たちを照らす
『よっし!久々にぎゅーってしてあげようか?』
「はぁ⁉︎何言ってんだよ!!」
真っ赤に染めた頬で怒鳴る彼と
ニヤニヤと微笑む私
『ほらほら、恥ずかしがらなくていいよ〜』
「別に恥ずかしがってなんかねー!!」
先ほどまで繋いでた手を離し2人して小さな子供のように走り回る
これからもずっと君と一緒に笑っていよう
君にとって私の必要性がなくなるその日まで。。。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
『キ、キルア、、、はや、はやすぎ、、』
「がおそくなったんじゃね?」
『うそ!、、なんか悔しい。。』
H27.2.26