第23章 シャルナーク《2》
『その時さ!クロロなんて言ったと思う?』
「さぁ?なんて言ったの」
パソコンと睨みあうのは旅団員の中で1番仲がいいシャルナーク
彼はこちらの話には全く興味がないらしく適当に相槌を打つだけ
『”お前は役に立つ”だって!もーすっごい嬉しくてさ!!』
「ふーん」
そばにあったクッションに顔を埋めにやけきった顔を隠す
最近は嬉しいことが多いそのためいつ悪いことが起こるか少し心配だ
『ねぇ、さっきから何調べてるの?』
一生懸命パソコンと睨み合っていては何をしているのか気になるのは普通だろう
気になり問いかけてみるが”それよりさー”と話をそらされてしまう
「団長に彼女いたらどうする?」
小さく軋む音と共にシャルが椅子から立ち上がる
『クロロに彼女?』
「うん」
腰に手を当て考える
彼女か。そういや考えたことなかったな
いや、もしかすると考えることを拒否していたのかもしれない
ならば今回もあまり深く考えないでおこう
『クロロに彼女がいたらシャルに乗り換えよっかな〜』
笑みを浮かべ口から出た言葉は単に彼をいじめたいがために出た言葉
仲の良い彼ならこれぐらいのことを言っても大丈夫。
いつも通り面白く返事をしてくれる
そんな甘い考えから出た言葉
「言ったね?じゃあ、団長に彼女がいたら俺と付き合ってよ?」
『え?』
三日月型に歪む彼の口。
そして、そばにあったコピー機から出てきた何かを印刷した紙
「これ、調べだすの大変だったんだから」
『う、、そ、、』
手渡された紙の中で女性と手をつなぎ嬉しそうに微笑むのはまぎれもなく私の愛するクロロだった
「これで、は俺の彼女だね」
先ほどまでパソコンを触っていた手を今では私の頬に滑らすように触れる
あぁ、やはり悪いことが起きてしまった
最近は本当に幸せすぎたんだ。。。
恋と親友を1度に無くした私の目には嬉しそうに微笑むシャルと写真の中のクロロが写っていた
H27.2.26