第102章 キルア=ゾルディック《9》
今日、兄貴の嫁が眠るように死んでいた。
念をかけられたことで死んだんだとじいちゃんは言ってた
枕元にはが書いた手紙があったけど内容はほとんど覚えてねぇ
だけど、いつも無表情な兄貴が声あげて泣いてんのを見たときはかなりびびった
兄貴のそんな姿見てたら最後にしたとの会話が浮かんできた
《『キルア君。私がもしもいなくなったら悲しい?』
「はぁ?んなの俺じゃなくて兄貴に言えよ」》
いつもより弱々しい笑顔にどこか違和感を覚えながらから聞いたその言葉は今日のことを意味してたんだろうな
今更思い出しても意味がない
それぞれが自室へと戻っていく中、兄貴だけはその場を離れずずっと泣いてる
その姿を視界に入れ俺も部屋に戻った
「……なんで誰にも相談しなかったんだよ」
その言葉も今更だ。
目から流れ落ちる涙は長い廊下を濡らしてく
27.9.7