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✴︎HUNTER×HUNTER短編集

第10章 カイト




『はぁ、、はぁ、、はぁ、、』


後ろを追いかけてくる約3匹の蟻

もう少しだ、もう少し先に広い草原がある!!

軽く唇に舌を這わす

楽しみな時にしてしまう私の癖だ


『はぁ!ついた!!』


広く周りが見渡せる場所にでて、すぐに振り返る


『………あれ?いないじゃん』


いつの間にか撒いてしまったのか、また、隠れているのか

どちらかなんてわかるはずもなく戦闘準備だけをしてその場に留まり気配を探るべく目を瞑る


『くる。。』


足音。

それとともに刀のようなものが風を切る音


『ははっ!』


隠し持っていた小刀を振りおろそうとした時


「しゃがめ!!」

『っ!!』


声に驚き少し反応は遅れたものの頭の上すれすれを通った何かには当たらなかった


『あ”ー!死んでんじゃん………』


蟻の方は避けきれなかったらしく頭と体がバイバイしてしまっている

せっかく見つけた面白そうな相手。

そんな相手を一瞬でとられたんだイラつかないことはない


「大丈夫か?」


銀色の長い髪をなびかせこちらへと向かってくる長身の男


『あのままほっといてくれても良かったのに。』


というか、ほっといて欲しかった

頬を膨らませそっぽを向く


「なんだ、お前は死にたかったのか?」

『違うよ〜遊びたかっただけ。あんな奴ら相手に死ぬ私じゃないし』


小刀を片手で弄り次の相手に備える

さっき、襲ってきたやつが3匹のうちの1匹ならば他の2匹もいるはず


「お前、名前は?」

『。君は?』

「俺はカイトだ」

『ふーん』


あ、くる。

再び足音を聞き戦闘態勢に入る

どうやら、カイトも気づいていたようだ彼も私に背を向けピエロのついた棒を構える


「お前の強さ、見させてもらう」

『ふふ、強すぎて驚くかもよ』


あぁ、久々だな2人で戦うのは。



再び軽く唇に舌を這わす




H27.2.9



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