• テキストサイズ

✴︎HUNTER×HUNTER短編集

第94章 キルア=ゾルディック《8》







「なぁ、お前って女?」

『…なんでだよ?』


お金を稼ぐのと一緒に力もつくということでやってきた天空闘技場

今、ゴンがズシに呼ばれキルアの部屋に2人っきりになったところだ

質問に質問で返すのはどうかと思ったが今後のためにも改善すべき場所は聞いといたほうがいい


「歩き方とか笑い方…とか」

『はは、歩き方なんて人それぞれだしさ笑い方で女って疑うのもおかしいぜ?』


笑う私とは違い真剣な顔の彼

とりあえず彼から離れておこうと適当な理由をつけ歩きだした


「俺さ、暗殺者だったから分かんだよ。女と男の歩き方の違い」

『あー、そういえばそうだったな。でもさ、俺の歩き方は女っぽいってだけだろ?』


ここで無視して帰るのも疑問を増やしてしまうだけなので逸る心を抑え立ち止まる

途端、ぐんッと強く腕を引かれる感覚と浮遊感

気づいた時には彼の腕の中


『いきなりなんだよ?あ、もしかしてキルアってあっち系?すまんけど俺はッ!ッッ!』

「……女じゃん。」


胸部を掴まれ身をよじる

バレたことよりも思いっきり掴まれたことに驚き一瞬頭が真っ白になる

まさか彼にこんな大胆な事ができるなど予想もしなかった


「なぁ、まだ女じゃねぇーって言う?」

『…ッ。ちげぇよ。てかよ、野郎の胸ら掴んで面白いか?さっさと離せよ』

「……強情。」


白い腕は首と腹に回る

ここで女だと言えば理由を聞かれるそれだけは困る

仲がいいこの状態を壊したくない。

ゆるゆると動くそれは薄い布に入る直後で止まった


「言わねぇとこのままやっちまうけどいい?」

『…なっ!何言って!…ヤッ!』


耳元で聞こえるまだ幼いはずの声

なぜそこまで私が女だと証明したいんだ

直に触れはじめた手に恐怖が募る


「はじめたら止まれねぇーから。ゴンが帰ってきても……な?」

『…クッ……』


耳をくすぐる甘い声に首元にふれる銀髪

私は何と言えばいいのだろう

頭は真っ白になるばかり



H27.8.17



/ 216ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp