第88章 クラピカ《10》
興味が湧いた
理由を述べろと言われて出てくる言葉はただそれだけ
目の前の少年は情報どうり中性的な顔立ちで女と言われても疑いはしないだろう
『とある情報屋から聞いたんだけどあたし達の情報をほしがってる奴ってあんた?』
右腕に這う蜘蛛を晒しゆっくりと歩み寄る
じゃらっと鎖の擦れる音に足を止める
いつの間に手にしていたのだろう右手に繋がる鎖は情報にはなかったため顎に指をあて考える
「くそっ。あいつが私のことを売ったのか!?」
瞳が赤くなり頬に汗をにじませる
あぁ、クルタ族か。
だったらわたし達を狙う原因は敵討ち
『ねぇ。お話しようよ』
「お前らと話すことなどない!!」
『そんなことないでしょ?私から聞きたいこといっぱいあるんじゃない?』
「っ!ない!」
お互いぴくりとも体を動かさないまま怒鳴りあう
別に団長に告げ口しようとか今この場で殺しておこうとか思ってないんだけどな……
『ふふ、じゃあ、蜘蛛のお話とかどう?』
「なっ!?」
丸くなる瞳には驚き以外の何も含まれていない
わたし達を敵にするなんてなんて面白い子なんだろう
さぁ、楽しいショーを私の手で開きましょう
H27.7.29