第83章 フェイタン《11》
薄暗いアジトで久々の再会
「身長伸びてねーのか?ちっせーな!」
でかい手を頭に乗せ力任せになでられる
一般人なら首がもげてしまうだろう
『ちょ、いてーな!もっと手加減しろよ!!』
「おお、すまんすまん!」
見た目の割に餓鬼みたいな笑みを顔中に浮かべる
相変わらずウボォーは手加減を知らない奴だ
「俺はちっこいほうが好きだぞ」
「おいおい、やめとけフィンクス。フェイタンに殺られるぞ」
『ちっこい言うな!これでも伸びたんだよ!!』
妹の頭を撫でるかのように優しく触れるのはフィンクス
嫌な気はしないが高身長なため見下ろされるこの感じがどうも気に食わない
「あんた達そろそろ行くよ。さっさと準備しな」
マチの声を合図にし次々と団員たちが外へ出ていく
流れに任され私も外へ
フッと視界が暗くなり唇へ当たる柔らかな感触
「ワタシだてお前のこと好きね」
それだけ言って何事もなかったかのように歩いていく彼
あぁ、ヤキモチか
触れられたとこを手でさすり微笑む
H27.7.18