第79章 クロロ=ルシルフル《11》
『クロロ!愛してるわ!世界で1番愛してる!!』
「はぁ、またか」
彼はこめかみに手を当てて頭を悩ませる
ヤダ何それ!
可愛い!可愛すぎるわマイダーリン!!
彼のあまりの可愛らしさに両頬に手を添えへたりこむ
『……クロロ。何故あなたはそんなに可愛いの……』
「しらん。」
『やん!冷たいところも素敵よ!!』
思いっきり抱きつき美しい肉体にぶつかる
あぁ、幸せ……
呆れたような顔をするも彼は背に手を回してくれる
『ふふ、私って幸せ者ね』
「……もっと幸せになりたくないか?」
『え?』
言葉の意図を読み取れず彼を見上げる
不意に触れる唇の感触
何事かと驚いているうちにことは進む
「死と隣り合わせの生活、お前は嫌いじゃないだろ?」
『…うそ……嬉しい!!』
「…ッ。飛びつくな」
片手に持たれた小さな箱
中央で光るのは大人びたリング
あぁ、やっぱり私は幸せ者だ
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