第77章 シャルナーク《6》
「マチ、がどこかしらないか?」
「しらないよ。」
「そうか」
外から聞こえる声と足音
大きさからドアの真隣にいるのだろう
『シャル、隣にクロロいるよ?見つかったら怒られるよ?』
無言で床に転がる私に視線を落とす彼
旅団員の強い力で押さえつけられたら一般人レベルの私の筋力ではどうにもできない
『ちょっと?聞いてる?』
少し首を傾げ私の顔だけを見る彼に問いかける
静かな時間が数秒流れる
先に言葉を発したのは彼。
「………はどうしたら俺の物になる?」
今にも泣き出しそうなその瞳には溢れんばかりの涙
頑張って笑を作っているのだろうが歪んでいてお世辞にも微笑んでいるとは言えない
『私はクロロのもの。クロロ以外のものになんてなれない。貴方が彼を団長と崇めているうちは……ね?』
「……やっぱり難しいか」
『うん。けっこう難易度高いよ?』
依然として緩む気配のない力はどうしても私をクロロのところへいかせたくないようだ
「俺さ、の事団長よりも大事にする自信あるよ?」
『それでも私はクロロのものなんだよ』
扉を叩く音
"シャルナークいるか?"
彼を呼ぶ声
彼の目からついに溢れ出たそれが私の頬に落ち床へとつたう
私達は一生想いあえない
H27.7.3