第74章 イルミ=ゾルディック《10》
あるところにそれはそれは美しい少女がいました。
彼女はその美しさから"白雪姫"と呼ばれるようになります
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ある日私は森へ出かけに行きました
『あら、このお花は初めて見るわ!何と言う名前なのでしょう?』
小さなピンクの花を手にとり香りを嗅ぐ
あぁ、とてもいい香りだ
「白雪姫」
『…はい。呼びましたか?』
1人では危ないとついてきたのは猟師
長い髪をひとつに束ね
長い筒状の鉄、銃器を片手に歩みよってくる
「うん。もう少し奥にいこう。珍しい花、咲いてるよ」
『…そう、それはぜひ見てみたいわ』
彼は狂気をはらんだ目で細い指をいかにも怪しい森の奥へ指す
私はひたすら殺されないように言う通りにただただ微笑み言葉を返すしかない
『猟師さん、一つ質問してもいいですか?』
「うん。いいよ。何?」
『貴方は………貴方の好きな花は何ですか?気になってしまって仕方がないのです』
スカートをふわりとなびかせ振り返る
相変わらず微笑みを浮かべた顔で問いかけた質問に彼は頭を悩ませる
「オレはアネモネが好きだね」
『アネ……モネ…?』
「そう。花言葉っていうの?あれが今のオレにぴったりだから」
『っ、、そうですか』
また、森の奥へと進み始めた私の頬にはひと粒の汗
このまま殺されてしまうのではと焦る気持ちを落ち着かせる
どこかで誰かが助けてくれるはず
それまでの我慢。。
H27.6.27