第72章 ヒソカ《10》
『それの後なんか勝手に開き直って私が悪いんだーっていってきたんだよ!!どう思う!?』
「まぁ、男の方が悪いよね❤︎」
浮気グセのひどい彼氏の愚痴をいつもどおりヒソカに漏らす
彼とは長年の付き合いだ
よって一緒にいると気が楽
『だよね!なのにネチネチネチネチ今でもいいに来るんだよ!本当にイライラする!!』
グラスに入ったビールを一気に飲み干し力強く机に打ち付ける
久々に飲んだためかいつもより酔が回るのが早く口からはあふれる水のように言葉が出てくる
『これで四回目だよ!もうしないって言ったのが1ヶ月前だし!!あんなやつほんとに大っきらい!!』
「そんなに今の男が嫌なのかい?」
珍しく質問をしてきた彼に驚くも
怒りに歪んでいるであろう顔は変えず
『あんな男大嫌い!!』
そう叫ぶ
追加のお酒を頼み延々と飲みつづける
あぁ、やばい。
流石に飲みすぎたかも
考えごとなど到底できるはずなどない頭はふわふわと空中に浮いた気分だ
「大丈夫?帰るなら送っていこうか?」
『あー、うん。お願い』
あまり飲んでいないのかそれともお酒に強いのか
どちらかは忘れたが全くよった素振りを見せない彼
ふらつく体に無理をいい立ち上がる
「おぶってあげるよ♦︎」
『大丈夫。あいつに見つかったら厄介だし』
「あいつ?あぁ、君の彼氏か♣︎」
『ん、そう。』
一歩また一歩と彼に腕を引かれ店を出る
外に出ると人っ子一人いない暗い道
『今日はありがとねヒソカ』
「僕の方こそいい話きかせてもらったしね♠︎」
いい話?なんて思いながら
そっかっと家まで送ってもらう
悲しげな電灯がわたし達を照らす
H27.6.26