第67章 フェイタン《8》
月が光る夜
アジトと呼ばれるとこから外へでる
このままどこか遠くへ……
なんてそう簡単に行けるわけがなく背後から感じる気配
『なんでついてくるの?』
「お前1人にしたら逃げるよ、だから監視ね」
逃げようとしている事など彼らにはお見通しのようだ
まぁ、無理やり入団させられたんだそれぐらいさすがにわかるだろう
小さいくせに威圧的なその瞳にイラつきを覚えつつ口から出た言葉は冷たい声
『逃げないし』
「はっ、よくそんなこと言えるね。さんざん逃げよと暴れまわたのは誰か?」
左腕には数字を背負う蜘蛛
それを隠すように右手をかぶせる
こんなもの望んでてに入れたわけではない
「アジトに戻るね」
細い腕からは想像もつかないほどの力で手をひかれる
『お前らなんて早く死んでしまえばいい』
「ワタシたちはお前みたいに弱くないね」
手を振りはらい彼と間隔をあけアジトに向けて歩く
いつか必ず逃げ出してやる