第65章 ヒソカ誕生日
「今日は何の日かわかるかい?」
鬱陶しいほどの雨が響く部屋の中
何やら嬉しそうな笑みを浮かべた彼に問いかけられる
『……降水量が今年最高の日?』
「残念間違いだよ❤︎」
『あぁ、そうなんだ。』
特に興味などないので軽く流す
数分の沈黙
勢いを緩めない雨が強く窓を叩く
そばにあったソファに座り込みブツブツと文句を言うその姿はまるで幼い子供のようだ
特にほっておいても私に害はなさそうなので溜りに溜まった書類整理を再開する
「君の彼氏は僕だよ♠︎。だからもっと僕を構おうよ♣︎」
『………はぁ、どうしてあんたはじっとできないのかなぁ』
首元に回された腕
少しの息苦しさを感じながら小さくため息をつく
もう少しあとに渡そうと思っていたんだけどななんて思いながら引き出しから小柄な箱を取り出す
『誕生日おめでとヒソカ』
大きく目を見開き驚いた顔でゆっくりと差し出した箱を手に取る
あぁ、あんたってそんな顔もできるんだね
「なんだ、忘れられたのかと思ったよ♦︎」
『忘れるわけがないだろ。私の大好きな彼氏の誕生日を』
嬉しそうな笑みを浮かべ触れるだけのキスをする
「そんな可愛いこと言って襲われたいの?」
『まだ仕事が残ってる』
軽く彼の頭を叩く
雨音が響いてた部屋の中
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「赤のチョーカー♣︎。これの意味知ってる?」
『あぁ。』
「……嬉しいよ♦︎。ありがと❤︎」
H27.6.6