第60章 シャルナーク《5》
『あ。あぁ、、、』
赤、紅、緋
見えるものすべてがあかに染まった部屋
目の前に倒れた人であったもの
原型をとどめていないそれを直視できるほど私の精神は強くない
『ご、ごめんなさい。。ほんとにごめんなさい。。死なせてしまってごめんなさい。。。』
嘔吐しそうになるのをこらえただひたすら謝る
この言葉が届いていないことはわかっている
『なんで、なんで私はこの人を死なせてしまったの。なんで!?』
流れてくる涙は拭っても拭ってもあふれでる
あぁ、そうだ罪をつくなわなければいけない
私は悪いことをしたのだから
「。よくやったね。ほらおいで」
『シャル………ナーク…』
背後から聞こえる優しい声
大きく広げられたその腕に向かい走り出す
『シャルナーク!!シャルナーク!』
「よしよし、がんばったね。」
強く強く抱きしめれば
慰めるような力で頭を撫でる
そうだ、私は彼に頼まれたのだ
あれを殺せと
『シャルナーク、私はあなたの言うことをちゃんと聞くよ。だから、捨てないでね』
「わかってる。じゃあ、次の仕事に行こうか」
いいように使われている。
そう言われても何も言い返せないけどそれでも彼の隣にいられるのなら………
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『ごめんなさい。シャルナークのお願いは絶対なの』
また、あかでそまる
H27.5.21