第56章 フェイタン@GW企画
ふわふわとまるで空に浮いているような感覚に身を包まれる
暗闇から光へと手を伸ばすと目に痛いぐらいの日の光が差し込む
あぁ、朝か。
薄く開いた目に入るのは珍しく真面目な本を読む彼
かっこいいななんて思いながらまた、暗闇へ沈みこむ
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ふわふわと空に浮いているような感覚。
2度目だ
重たいまぶたを持ち上げると頭の上から下へ何かがとおる感触
『んっ……フェイ…タン?』
「おきたか」
頭上にあった手がゆっくり頬へと伸びる
数分間ただただ頬を撫でる彼の手を掴む
「何ね?」
『ううん。ギュってしたかっただけ』
「……そか」
力強く硬い胸に飛び込むと小さく呻きながら抱きしめてくれる
うん。ちょっと、力強くいきすぎたかな?
「お前。力強過ぎるね」
『ごめんなさい。でも、嬉しいでしょ?』
のぞき込むと少し赤くした顔を背けられる
ほんとに可愛いんだから
「……あたたかいね」
『ふふ、素直じゃない人』
気持ちのいい暖かさと共に少し早い鼓動の音
目を瞑れば頭を撫でる優しい手
久々の休日だ
こうやってゴロゴロ過ごすのも悪くない
『おやすみ。フェイタン』
「おやすみ…ね」
目を閉じれば心地よい闇の中
H27.5.5