第55章 ヒソカ《7》
『ヒソカなんて大嫌い』
空を見上げる君はその言葉に過激に反応する
窓を叩く雨の音に足音が混ざる
「ボクは君を愛してるよ❤︎」
案外簡単に傷つく君は既に悲しそうに瞳を揺らして私を抱きしめる
こんなに優しい君が人間を殺めるような人だとは思わなかった
『ヒソカの手は私の大事な人の赤い液体で汚れている』
『私はヒソカを愛せない』
強く強く私を抱きしめる力が増す
目の前には息を引き取り無残な姿となった大事な人
涙なんてものは出てこないが心が痛む
「それでもボクはを愛し続けるよ♠︎」
私から離れた君とのあいだに隙間ができる
これからどこかへ私を連れていき一生君に愛されるのだろう
『今、、ここで、、、あなたに逆らえば、、私の命はなくなる』
「……考えすぎだよ♣︎」
『そう?』
嘘が上手な君はどこへ言ったのか
私でも嘘がついてることわかるよ?
「ボクは君を大切にするから♦︎」
抱き上げられた私に拒否権なんてない
ただただ抱きつき空をとぶ
あぁ、風が冷たい………
H27.5.4